会 長 挨 拶

第34代会長  井上 晋 (大阪工業大学 教授)

 公益社団法人プレストレストコンクリート工学会(PC工学会)は、前身のプレストレストコンクリート
技術協会が1958年に発足して以来、60年以上にわたって、わが国のプレストレストコンクリート(PC)
の普及と発展のため活動してきました。1960年に社団法人となり、2012年に公益社団法人に移行、
令和元年となった2019年、法人として設立60年を迎える歴史ある学会です。
 わが国は、少子高齢化、人口減少が進み、厳しい財政状況のなか、インフラ構造物の老朽化や近年
頻発する大規模自然災害を背景に、安全で安心なインフラの整備・維持管理・更新が求められています。
PC構造物は、橋梁、建築物、容器、防災施設、港湾施設などに広く利用されています。PCの特長を活か
した合理的な構造の実現はもとより、PC技術が生産性および、耐久性の向上、補強・更新、防災・減災、
環境負荷低減に果たす役割は大きく、本工学会は、積極的に持続可能な社会に貢献すべく、2017年に
「PCサステナビリティ宣言」を公表しました。
 本工学会は、会誌の発行、各種技術規準等の刊行、年次のPC技術講習会およびシンポジウムの開催、
技術者資格認定事業、国際交流など活発に活動を行っており、公募研究、受託研究にも積極的に取り組ん
でいます。技術規準等の整備については、最新技術を取り込み、国際展開も視野に普及を図ります。国際
機関であるfibに公益社団法人日本コンクリート工学会とともに日本を代表して参画し、重要な役割を担って
います。
 本工学会認定資格のプレストレストコンクリート技士とコンクリート構造診断士は、コンクリート構造物の
安全性の確保と長寿命化に貢献する専門性の高い技術者資格であり、是非とも多くの方が取得されます
よう願っています。
 PC技術の発展と一層活発な学会活動を目標に、PCの魅力を発信し、会員増加を推進していきます。また、
PC黎明期の技術を次世代に伝承する使命のもと、ホームページに「PCアーカイブス」を開設します。
 PC工学会は、国土の安全と発展のために活動していきますので、今後ともご支援、ご協力を賜りますよう
お願い申し上げます。
(令和元年5月24日就任)