公益社団法人プレストレストコンクリート工学会(PC工学会)は、1958年に設立されたプレストレストコンクリート技術協会を前身とするわが国唯一のプレストレストコンクリート(PC)に関する学会組織です。
本工学会が対象とするPC構造はその特長を活かしながら,インフラ構造物の構築により国土の形成や経済の発展ならびに生活の豊かさ向上に,建築物の構築により快適で利便性の高い空間の創造に寄与し,さらには社会の安全・安心に貢献しています。
PC構造が社会に果たす役割は大きく,本工学会は70年近くにわたり我が国のPC構造に関する学術と技術の進歩に寄与するとともに,その普及を行っています。会誌の発行,各種技術規準やガイドラインなど書籍の刊行,年次のPCシンポジウムや各種講習会の開催,技術者資格認定事業などの様々な活動を行っています。
また国際機関であるfibに公益社団法人日本コンクリート工学会とともに日本代表として参画し,国内に留まらず国際的にも重要な役割を担っています。
大規模自然災害への備え,既設構造物の維持管理,脱炭素など,現在取り組むべき多くの社会課題があります。洋上風力等の新たな構造物の開発や構築,AI等の新技術の活用など,次世代に向けて取り組まなければならない課題も様々あります。また多様性を踏まえた人材活用や人材育成なしにPC構造物や技術を守り・発展させ・伝えていくことはできません。人(技術者)・モノ(PC構造)・こと(技術)のそれぞれの大事さを改めて踏まえた活動を行っていきたいと考えています。
今後ともご支援,ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(令和7年5月23日就任)

第37代会長
中村 光
名古屋大学大学院 教授